第8回日本ヘルスサポート学会学術集会・総会が、以下のとおり開催されました。
I. 開催趣旨
職域、地域の集団に対して健康リスクを改善するために働きかけるヘルスサポートが効果を挙げるには、人々が、健康行動が必要であることを知るだけでなく実際に行動できるようにする、コミュニケーションの高度化を進める必要がある。今回の学術集会では人を動かすコミュニケーション時代のヘルスサポートのあり方と実践方法を学ぶ。
II. 学術集会・総会プログラム
●メインテーマ 人を動かすコミュニケーション時代のヘルスサポート ー職域・地域の人々がKnowing(知る)からdoing(行動する)へ進むためにー
●日程 2013年10月30日(水)10:00~18:00
●会場 慶應義塾大学三田キャンパス 北館ホール
●大会長 武林亨(慶應義塾大学医学部衛生学公衆衛生学)
●実行委員長 小林 篤(損保ジャパン総合研究所)
ベストポスター賞受賞者はこちら 第6回学会賞表彰式の模様はこちら
1.大会長講演「効果的なヘルスサポートを実現するコミュニケーション戦略」
武林亨(慶應義塾大学医学部 衛生学公衆衛生学)
2.特別報告「糖尿病エンパワーメント: 糖尿病劇場®にみるコミュニケーションの実践」
岡崎 研太郎(名古屋大学大学院医学系研究科 地域総合ヘルスケアシステム開発寄附講座)
講演資料(PDFファイル)
3.ランチョンセミナー 共催:アッヴィ合同会社「日本におけるFit For Work Serviceの必要性~生涯現役社会を目指して~」
松田 晋哉(産業医科大学 公衆衛生学)
講演資料(PDFファイル)
4.総会
5.事例報告(午後)「『ソーシャルマーケティング』手法に基づくがん検診受診率の改善事例」
福吉 潤((株)キャンサースキャン)
講演資料(PDFファイル)「『鍛え育てる』職場のメンタルヘルスサポートの実践事例」
加藤 元一郎(慶應義塾大学医学部 ストレス研究センター)
「社員食堂を活用した食環境への「ポピュレーションアプローチ」の実践事例」
三浦 淳子(コニカミノルタ(株) 人事部健康管理グループ)
「『運動がつづく』プログラムによるメタボ対策の実践事例」
都竹 茂樹(熊本大学政策創造研究教育センター)
6.ベストポスター賞・学会賞(実践活動部門賞)
受賞者(所属) | 演題 | 発表内容要約 |
藤野 善久 (産業医科大学 公衆衛生学) |
Fit For Workに向けたPresenteeism調査票開発 | 労働者が健康上の問題を抱えたままで就業している状態である、Presenteeismを把握するための調査票は海外において既にいくつか提唱されているが、海外とは労働文化が異なる国内労働者に対する調査票を開発する必要がある。開発した調査表の信頼性、妥当性についての検証作業の一環として、労働者の職場適応に関する事例性のある労働者のスクリーニングに、開発した調査表を適用した。 |
下田 哲広 (株式会社キャンサースキャン) |
乳がん検診未受診者に対する受診推奨の効果(第2報) | 地域住民を対象とした、乳がん検診の受診勧奨のメッセージによって申込率・受診率に差が生じるかどうかを、ランダム化比較対照によって試験したところ、申込率に関して対照群より介入群が有意に向上していることを認めたが、受診率に有意な差を認めることができなかったので、その理由を考察した。 |
村松 圭司 (産業医科大学 公衆衛生学) |
“Fit for Work”研究部会の設立 | Fit for workとは、欧州全体で行われている復職支援に関する取り組みで、特に中小企業で働く労働者に対し病欠の早期の段階での支援を行うことを目的として、社会的問題や医学的問題に対しパーソナライズされた支援を多くの分野の専門家が提供する新たな産業保健サービス提供方式である。今般、日本ヘルスサポート学会にこの研究を行う部会を設置し、活動を開始した。 |
(左から)下田哲広氏 代)福吉潤氏((株)キャンサースキャン)、村松圭司氏(産業医科大学公衆衛生学)、
藤野善久氏(産業医科大学公衆衛生学)、武林亨大会長