第9回日本ヘルスサポート学会総会・学術集会が、以下のとおり開催されました。
I. 開催趣旨
ビッグデータは新しい情報化ビジネスの一環として議論されているが、ビジネスだけでなくヘルスケア分野では従来の手法では実現出来なかった成果を得ることが出来る新しい手法が出現していることを意味し、ヘルスサポートに関わる関係者がその可能性を真剣に考える時代が到来している。医療介護分野では、レセプトデータ、特定健診・特定保健事業の大規模なデジタル情報の生成利用を実現するインフラストラクチャーの整備が進み、ビッグデータ利用を利用して従来にない事業・サービスを提供することが現実のものになっている。
今回の学術集会では、このような基盤の整備が進められた後に、職域・地域・健康保険関係の集団について健康リスクを改善するためにどのような手法が有効か、また先端的に取り組んでいる事例からどのような示唆を得ることが出来るかについて、率直な議論の場を提供し、関係者の今後の取り組みに参考となるようにしたい。
II. 総会・学術集会プログラム
◆メインテーマ
「ビッグデータとヘルスサポート」
◆日時
2014年8月26日(火)10:00~18:00
◆会場
慶應義塾大学 三田キャンパス 北館ホール
◆大会長
松田晋哉(産業医科大学 公衆衛生学教室)
◆実行委員長
武林 亨(慶應義塾大学医学部 衛生学公衆衛生学)
ベストポスター賞受賞者はこちら 第7回学会賞表彰式の模様はこちら
1.大会長講演「ビッグデータとヘルスサポート」 松田晋哉(産業医科大学 公衆衛生学教室)
2.ランチョンセミナー 共催:アッヴィ合同会社「ヘルスサポートのためのビッグデータ活用事例」 村松圭司(産業医科大学公衆衛生学)
3.総会
4.教育講演「医療保健領域におけるデータ活用の現状と課題」
石川ベンジャミン光一(国立がんセンター研究所)
講演資料(PDFファイル)
5.シンポジウム「わが国の保健領域におけるビッグデータ活用の現状と今後の動向」「データヘルスと産業保健」
藤野 善久(産業医科大学公衆衛生学)
「National Databaseの分析事例」
藤森 研司(東北大学大学院 医学系研究科医療管理学分野)
「わが国の保健領域におけるbig data活用に関する政策の動向」
山崎 学(みずほ情報総研株式会社 医療政策チーム)
受賞者(所属) | 演題 | 発表内容要約 |
村松 圭司
(産業医科大学 公衆衛生学) |
企業版健康情報分析システムの開発 | 健康保険組合が保有するレセプトデータ、特定健康診査・特定保健指導データ、および企業が保有する産業保健、労働生産性に関するデータを連結して分析できる、企業版健康情報分析システムを開発した。このシステムの利用により効果的な保健事業の立案・効果測定を可能とする仕組みを構築出来る。また今後のデータヘルス計画の推進にも寄与しうる。 |
清田 敏恵
(日本赤十字社 事業局) |
地域で子どもの命と健康を守る学習のしくみ | 日本赤十字社は、幼児安全法に基づき、こどもの事故防止・手当・看病の方法等の知識や技術を習得できる講習を全国各地で開催し、受講者が支援員となり地域の安全活動に貢献することを目指している。同社の平成25 年度の幼児安全法講習実施状況の分析から、幼児安全分野における地域活動に関するヘルスサポートの課題を明らかにした。 |
(左から)清田 敏恵氏(日本赤十字社事業局)、松田晋哉大会長、村松圭司氏(産業医科大学公衆衛生学)